2016年4月8日金曜日

AML, KYC, FATCA

ちょっと今までの内容とは異なりますが、最近よく聞く金融に関する略称についてお話しします。

そもそもAMLってなに?KYCは?

AML はAnti-Money Laundering の略称、 資金洗浄対策 のこと。
KYC Know Your Client の略称、顧客確認 のこと。

隠し金、テロや麻薬のお金の流れを止める為の対策として、お金を動かす人、つまり、送金や投資などを行う方の詳しい個人情報提供が必須になりました。情報を元に金融機関はお客様が「要注意人物リスト」に記載されていないかを照会します。

必要な個人情報は:お客様の名前 (旧姓や芸名、も含め)、身元、国籍、在住情報、職業など。
または、それを証明できる書類も要求されます。もちろん、全てに英語訳が必要、また偽装ではない証拠のため認証も必要です。

日本で一般的な認証ができるのは:IFA, 弁護士、行政書士、会計士などです。日本では、大使、警察官、銀行支店長も出来ますが、認証してくれるこのような職業の人を今まで聞いたことはありません。または、一番高いレベルの公正証書が必要な場合は、公証人に頼まなければなりません。

では、FATCAは?

FATCAは Foreign Account Tax Compliance Act の略称、米国の税法である外国口座税務コンプライアンス法です。
納税義務のある方が、海外(米国以外)の金融機関の口座を利用して米国の税金を逃れることを防止するために制定されました。

つまり世界中の投資家の中に、アメリカ人がいないかと確認する為の書類です。

ではアメリカに納税義務のある人は誰ですか?

もちろん、アメリカの国籍を持つ人です。 アメリカに在住しているかどうかは関係ありません。

ここで注意点があります:アメリカで生まれたら自動的にアメリカの国籍がもらえるということを知ってますか? アメリカに住んだことがなくっても、自分にはアメリカ人と言う自覚がなくっても、アメリカで仕事をしたことがなくても、アメリカ国籍を捨てていない限り、アメリカに税金の申告義務があるのでFATCAではアメリカ人扱いになります。


その他にもFATCA対象になるケースがあるので気を付けてください。